HP Anyware Session Planning Guide

PCoIPパフォーマンスの最適化

ユーザー体験の微調整が必要な場合、各プラットフォームのAnyware Agent管理者ガイドに記載されているように、グループ ポリシー エディター(Windows)またはセッション構成ファイル(LinuxまたはmacOS)を使用して、フレーム レート、画質、および帯域幅に影響するPCoIPセッション パラメーターを調整できます。

ユーザー体験のプロファイル

調整に役立つように、各ネットワークでのプロトコル最適化の土台として使用できる5つのユーザー体験プロファイルおよび推奨セッション パラメーターを示します。

ユーザー体験のプロファイル

プロファイルユーザー体験帯域幅ネットワークユーザー ロール
プロファイルA大変良い最大LANレビュー/CADおよびクリエイティブ
プロファイルB良いLAN/WANCADおよびクリエイティブ/ナレッジ ワーカー
プロファイルC普通最適化済みWANナレッジ ワーカー
プロファイルD普通制限ありWANナレッジ/タスク ワーカー
プロファイルE悪い最小共有WAN小さい画面を使用するタスク ワーカー

上記の5つのユーザー プロファイルそれぞれに対する推奨事項を次の表に示します。

ユーザー プロファイルのセッション パラメーター

構成可能なセッション パラメーターABCDE
PCoIP Protocol Mode(Graphics Agent)CPU-OffloadAuto-OffloadAuto-OffloadAuto-Offload対象外
PCoIP Protocol Mode(Standard Agent)初期設定初期設定初期設定初期設定初期設定
クロマ サブサンプリング(Graphics Agentのみ)YUV 4:4:4*YUV 4:4:4*YUV 4:2:0YUV 4:2:0対象外
最大PCoIPセッション帯域幅(kbps)900000*900000*100002400600
ロスレス構築(BTL)機能の有効化BTL有効BTL無効*BTL無効*BTL無効*BTL無効*
Minimum Image Quality5040*40*3030
Maximum Initial Image Quality9080*80*7070
Maximum Frame Rate(fps)60*60*30168
セッションのオーディオ帯域幅制限(kbps)無効*無効*無効*480~32
Windowsの視覚効果の最適化デザイン優先*デザイン優先*パフォーマンス優先パフォーマンス優先パフォーマンス優先

*初期設定

ディスプレイのフレーム レート パフォーマンス

マルチ モニター構成の高解像度ディスプレイを使用して可能な限り高い画質およびフレーム レートを求める業界では、PCoIPテクノロジーが幅広く採用されています。CAD、視覚効果(VFX)、ビデオ編集、アニメーション、およびグラフィックを多用するその他のユース ケースでユーザーの満足度を高めるためには、ソース コンテンツのフレーム レートがPCoIPプロトコルによってローカル ワークステーションでの体験を下回ることがあってはなりません。理想的なネットワーク条件下でのPCoIPフレーム レートの例を以下の表に示します。

PCoIPプロトコルでサポートされる目標フレーム レートの例

 
ディスプレイ解像度1台構成2台構成
Zero Client  
1920×1080 FHD最大60最大60
2560×1440 QHD最大60最大30
Software Client*  
1920×1080 FHD最大60最大60
2560×1440 QHD最大60最大60
3840×2560 UHD最大60最大60

(*)PCoIP Ultraプロトコル拡張用に構成されたHP Anywareは、ホストおよびクライアントのCPU仕様および使用可能なネットワーク帯域幅に基づき、最大60 fpsを提供します。 PCoIP Ultra CPU-Offloadでこのプロトコル拡張を利用するには、ホストおよびクライアントがAVX2 CPU拡張をサポートしている必要があります。PCoIP Ultra GPU-OffloadおよびAuto-Offloadでは、ホスト システム上でハードウェア ビデオ エンコーダーがサポートされている必要があります。具体的なプラットフォーム要件について詳しくは、『CAS Administrator Guide』を参照してください。

PCoIP Ultraのパフォーマンス

以下のセクションでは、PCoIP Ultraモードが有効な場合のAnyware AgentおよびAnyware Software Clientのパフォーマンスについて説明します。

Anyware Agentのパフォーマンス

PCoIP Ultra CPU-Offload

PCoIP Ultra CPU-Offloadモード用に構成する場合、ホスト システムには十分なCPUおよびGPUリソースが必要です。これは、ホスト アプリケーション ソフトウェア(例:画像フレームのレンダリングを処理するビデオ エディター)をサポートするとともに、Anyware Agentソフトウェアで画像フレームを適切なフレーム レートでフレーム落ちなくエンコードするために必要なCPUサイクルをサポートするためです。 PCoIP Ultra CPU-Offloadモードで4K/UHDディスプレイ解像度を使用して最高の結果を得るには、ユーザー アプリケーションに必要なコアに加え、4つ以上のCPUコアをプロビジョニングする必要があります。FHD解像度で最高の結果を得るには、少なくとも2つのCPUコアが必要です。 ユーザー アプリケーションでより高いCPU使用率が必要な場合は、PCoIPエンコーディングをアプリケーション ワークロードから分離するために、PCoIPサーバー プロセスのプロセッサー アフィニティの設定を検討してください。

PCoIP Ultra GPU-Offload

PCoIP Ultra GPU-Offloadが構成されている場合、ホスト アプリケーション ソフトウェアはCPU/GPUリソースを使用して画像フレームをレンダリングしますが、PCoIPエンコーディングはGPUのビデオ ハードウェア エンコーダーにオフロードされるため、CPUリソースは解放されます。GPU構成について詳しくは、PCoIP Ultraに関するナレッジ ベースの記事を参照してください。

PCoIP Ultra Auto-Offload

PCoIP Ultra Auto-Offloadが構成されている場合、ホスト アプリケーション ソフトウェアはCPU/GPUリソースを使用して画像フレームをレンダリングします。PCoIPエンコーディングは、[PCoIP Session Variables]で定義されたPCoIP UltraオフロードMMPSしきい値をピクセル レートが超えると、GPUのビデオ ハードウェア エンコーダーにオフロードされます。Auto-Offloadモードでは、エンコーディングでのピクセル レートが低い場合にのみCPUリソースが必要となるため、CPUへの影響はGPU-Offloadの場合とほぼ同じです。

Anyware Software Clientのパフォーマンス

PCoIP Ultra CPU-Offload

高ディスプレイ解像度で高ピクセル レート(例:4K/UHDで30 fps以上)を実現するには、AVX2をサポートし、適度な性能を持つエンドポイントが必要です。たとえば、4K/UHDでCAD、クリエイティブ、またはレビューのワークロードをサポートするには、Intel第8世代以降のCore i5/i7プロセッサーおよびデュアル メモリ バンクが必要です。一例として、NUC10i5FNH(Intel Core i5-10210Uプロセッサー)があります。

PCoIP Ultra GPU-OffloadおよびAuto-Offload

4K/UHDディスプレイを使用する場合に特に言えることですが、PCoIP Ultra GPU-OffloadまたはAuto-Offloadで最高のパフォーマンスを得るには、H.264ハードウェア ベースのデコーダーをサポートするAnyware Clientを使用する必要があります。Intel第8世代以降のCore i5/i7プロセッサーをお勧めします。サポート対象のハードウェアでハードウェア デコードを有効にするためにエージェントにYUV 4:2:0を構成している場合、Software Clientはより高いピクセル レートおよびパフォーマンスを達成できます。

Anyware Clientの構成について詳しくは、PCoIP Ultraに関するナレッジ ベースの記事を参照してください。


Last updated: Tuesday, June 11, 2024