HP Anyware Session Planning Guide

PCoIPセッション プランニング ガイド

このガイドでは、システム管理者がPCoIPトラフィックに使用するネットワークの準備や、PCoIPプロトコルを用いたリモート アクセスのワークロードの準備を行う場合に必要なキャパシティ プランニング、最適化、およびトラブルシューティングに関する情報を提供します。このガイドはトラブルシューティング ガイドおよびネットワーク プランニング ガイドとして利用できます。

このガイドの内容は、HP Anyware 2024.07でサポートされている機能および要件に基づいています。以前のバージョンのHP Anywareおよびそのコンポーネントは、本書に記載されているサポート レベルを提供していない場合があります。

このガイドでは、以下について説明します。

  • ネットワークの要件
  • ネットワーク容量のプランニング
  • PCoIPセッション変数
  • サンプル ネットワークおよび帯域幅設定
  • ワークロード パフォーマンスの評価

製品およびコンポーネントに関する完全なドキュメントについては、サポート サイトをご覧ください。

PCoIPプロトコルについて

PCoIPは、デスクトップまたはワークロード全体をエンコード処理し、これを標準的なIPネットワークを介してAnyware Clientデバイスで表示する表示プロトコルです。PCoIPテクノロジーは高度なディスプレイ圧縮を使って、GPU対応の仮想ワークステーションや標準的な仮想デスクトップなどのクラウド ベースの仮想コンピューターをエンド ユーザーに提供するもので、ローカル展開モデルに代わる革新的な方式です。また、キーボード、マウス、USB、マルチ モニター、プリンター、オーディオ デバイス、およびカスタム オプションなど、物理マシンで利用できるさまざまなサービスもサポートされています。

PCoIPのコア テクノロジーを構成しているPCoIPプロトコルでは、幅広いSoftware Client、Mobile Client、およびステートレスなAnyware Zero Clientにピクセル情報のみが圧縮、暗号化されて送信されるため、非常にセキュアにデータをやり取りすることができます。

画像はホスト上でレンダリングされるため、ホストはアプリケーションやクライアントからの応答を意識することなくネットワーク経由でピクセル情報のみを送信できます。最良のケースでは、ピクセルを受け取ってデコードするのにZero Clientを使用するため、基本的に表示のレイテンシは発生しません。PCoIPプロトコルは、仮想ワークステーションでレンダリングされるディスプレイ表示をエンドポイントで正確に再現できるように構成されます。これはロスレス再生と呼ばれ、画像そのものに重要な視覚的情報が含まれる医療診断、地理空間分析、メディア制作などでは特に重要です。PCoIPプロトコルは、ストリーミング メディアやグラフィックを多用する状況に適しているUDP(User Datagram Protocol)を使用します。

PCoIPプロトコルは、以下の特徴を備えています。

  • VoIPやビデオ会議などの他のリアルタイム プロトコルと同様にUDPパケットを使用します。
  • PCoIPプロトコルは本質的に信頼性が高く、失われたパケットの再送信は情報の種類に基づいてインテリジェントに行われます。たとえば、PCoIPプロトコルでは、ネットワーク パケット ロスに関係なくすべてのUSB情報の送達が保証される一方で、古い情報の再送信を回避するため圧縮されたオーディオやピクセルでは選択的に再送信が行われます。PCoIPは、特にレイテンシの大きなネットワークでは、TCPのような従来の方法と比較してユーザー体験に飛躍的な利点をもたらします。
  • ネットワーク上で失われたデータを再送信する必要がないため、PCoIPプロトコルにはレイテンシの大きなネットワークでTCPのようなプロトコルと比べて非常に大きな性能上の利点があります。
  • PCoIPトラフィック ストリームでトラフィック シェーピングを行い、利用可能なネットワーク リソースに応じて画像やオーディオの品質を動的に調整します。
  • 利用可能なネットワーク リソースを、ネットワーク上の他のPCoIPセッションと公平に分かち合います。
  • プロトコルに最初からWAN最適化が組み込まれています。

詳しくは、help.teradici.com を参照してください。

PCoIPテクノロジーの用途

PCoIPテクノロジーは、行政、教育、金融サービス、医療、石油およびガス、自動車、メディアおよびエンターテインメント、建築、土木建設、製造、および設計などの幅広い業種で使用されています。 業種別の用途について詳しくは、当社ウェブサイトに掲載されているケース スタディをご確認ください。

PCoIPセッション プランニングについて

PCoIPプロトコルは、仮想デスクトップやリモート ワークステーション環境にリッチなユーザー デスクトップ体験をリアルタイムで提供します。応答性に優れたデスクトップを実現するため、適切に設計された仮想デスクトップ ネットワーク インフラストラクチャにPCoIPプロトコルを展開する必要があります。

このガイドの内容およびデータは、帯域幅、サービス品質、レイテンシ、ジッタ、およびパケット ロスなど、お使いのインフラストラクチャの要件に効果的に対処する上で役立ちます。


Last updated: Tuesday, June 11, 2024